復興増税は9・2兆円なのか11・2兆円なのか。野田政権の最重要課題である東日本大震災の復興のための臨時増税案をめぐり、政府・民主党が迷走した。いったいどうなっているのか。「朝ズバッ!」はこのブレを突いた。
5兆円が7兆円になり、ついには「数値目標」
ポイントは復興財源となる税外収入を7兆円とみるか、5兆円とみるかだ。野田政権は27日(2011年9月)、政府税調案が5兆円としていた税外収入を7兆円として、所得増税、法人税減税凍結、たばこ増税、住民増税で増税総額を9・2兆円と決定し、28日には国民新党と合意した。この2兆円の上積みは前原誠司政調会長が打ち出したもので、民主党税調幹部や財務省の間ではなお異論がある。
このため、五十嵐文彦財務副大臣は上積みの2兆円は「数値目標」と説明している。2兆円の中にはJT株の売却があり、これには自民党が反対していて、すんなり売却できるかどか予断を許さないからだ。
司会のみのもんた「だいたい、税外収入というものがよくわからない。そんなにあるものなんですか」
コメンテーターの北川正恭(早稲田大学大学院教授)「それぐらいはあると思いますが、こういうことが与野党の議論の前に与党内で分かれるのは問題ですよ」
金井辰樹(東京新聞政治部次長)が経過を説明した。
「1昨日(27日)の夜まで5兆円だったのものが、突然7兆円になり、また昨日になると5兆円ともいい、兆単位で増えたり減ったりしている。これでは、どんどんへそくりが出てくるのではないかという疑問すら起きて、納税意欲が揺らいでしまった2日間だった」
小松成美(ノンフィクション作家)も「国民は復興のために痛みを分かち合う気持ちはあるのに」と話す。
財務省と民主党の手柄争い
みの「少し前までは埋蔵金、埋蔵金と騒がれたが、今度は税外収入。国民をばかにするなと言いたい」
最後に北川が「2兆円はあったんですよ。財務省は野党との折衝の材料に使おうと思っていた。それを民主党の側が、おれたちが決めるんだと先にポンと出した」と混乱の事情を解説した。
手柄争いか面子争いか、国民の負担を求める増税論議がどこを向いて行われているのか。