政府と民主党は27日(2011年9月)、東日本大震災の復興財源を確保するための臨時増税額を9・2兆円とする臨時増税案を決定した。「8時またぎ」コーナーで、「本当に、本当に増税は必要か」と、その問題点を取り上げた。
古賀茂明・元経産官僚「高給次官・局長がなぜ宿舎?」
スタジオに経済産業省を退職した改革派官僚の旗手・古賀茂明と、いまや財務省のスポークスマンになったとしか思えない五十嵐文彦財務副大臣を招き論戦した。
司会のみのもんたはまず古賀に退職までの経緯を聞く。
古賀「海江田経産相時代に松永和夫前事務次官から退職勧奨を受けた。以来、仕事はなく、現在の枝野幸男大臣も最近の記者会見で、自分についての処遇はこれまでの手続きを了としているという発言をしているのを聞いて、これまでだと思った」
みの「どのぐらい仕事がなかったの?」
古賀は「1年9か月です」
五十嵐財務副大臣「永久凍結ではない」
五十嵐財務副大臣にみのは問題視されている建設中の埼玉県朝霞市の公務員宿舎について正した。
みの「あれは事業仕分けで凍結となったのでは?」
五十嵐「永久凍結という意味ではない。これからの公務員宿舎の全体像が決まるまで、一時的に止めなさいという意味だ。その全体像が完成したので再開した。あれが完成すれば、20億円が余剰金として国庫に入る」
これに古賀が噛み付いた。
「本当に公務員に宿舎が必要かどうか、どこまで真剣に議論したのか。そもそも、年収2000万円を上回る次官や局長クラスにどうして都心一等地の宿舎が必要なのか」
これに対し五十嵐は、「幹部クラスは何かがあったときのために、霞ヶ関や永田町の近くにいる必要がある。また、重責を担っていて帰宅時間が遅くなることもしばしば。やはり、交通の便がよいところが必要だ」と反論した。
しかし、今度はみのが「都心一等地で3LDKのマンションを借りたら、月々の家賃は20万円以上になる。ところが、公務員宿舎だとわずか4万円前後。これは不公平だと思いませんか」と質問。五十嵐は口をつぐんだ。
大震災時は登庁困難に
コメンテーターの内野雅一(「週刊エコノミスト」編集委員)は「いま国民が求めているのは政治家の覚悟だ。その覚悟が少しも伝わってこない。本当に改革に取り組む覚悟があるなら、選挙をして国民に信を問う必要がある。次の世代のために禍根を残さないように増税が必要だと言っているが、若い世代はとっくに自分たちの夢を諦めている人が多い」と手厳しい。
建設中の公務員宿舎は決して緊急時に都心まですぐ駆けつけられるようなところではない。大地震のときは大渋滞が予想される幹線道路を使い、繁華街をいくつも通る。高速道路に乗ろうとすれば荒川を渡らなければならない。帰宅が遅くなることが多いというが、霞が関からタクシー代は1万数千円はかかる。こんなものを毎晩使われちゃかなわん。