小沢元秘書有罪―判決文に目立つ「推認」「と見るのが自然」

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   大半の検察側供述調書を証拠採用で却下したのに、裁判官の出した結論は有罪だった。小沢一郎・民主党元代表の元秘書3人の政治資金規正法違反の判決をめぐって、コメンテーターからは「腑に落ちない」の声も上がった。

証拠・調書乏しく状況証拠積み重ね

   東京地裁が検察側の供述調書の多くを証拠不採用にしたために、判決は事実関係に対する被告側の説明が合理的か、不自然さはないかに重きを置いた。

   判決文を見ると、「…と見るのが自然で合理的だ」「工作と見るのが自然だ」「…と考えるのが自然だ」とか、「強く推認される」「合理的に推認できる」など、推測の文言が多用されている。形式的な体裁を備えていれば是とされていた政治資金収支報告書だけではもはや通用しない「政治とカネ」の問題に、実態を捉え厳しく対応したのだろう。

   その一方で、「初めにシナリオありき」の捜査手法で地検特捜部が批判され、検察改革の機運が高まっているなかで、今度は裁判所が検察と似たような状況証拠だけで判断したのにはやはり危惧をおぼえる。

清水宏保コメンテーター失格…頓珍漢な擁護論

   スタジオでも、『ゲーテ』編集長の舘野晴彦は「状況証拠だけで有罪にするんだということに驚きました。検察の脅しや利益誘導があり、取り調べがあやふやだった(調書)を抜いて有罪にした。正直、腑に落ちない。不可解と思うことが多々ある」と批判する。

   これに司会の羽鳥慎一が「世論に押されてと思う面も…。どうなんですかね」と応えていたが、医療経営学を勉強中という清水宏保(スピードスケート五輪金メダリスト)から、話のスジを外す気になる発言が飛び出した。

「そんなことよりも、地元の人から見ると、地元の農業改革をどう進めていくかが問題。(被告の)石川智裕議員は足寄町(北海道)出身、足寄町は人口8000人もいない町に鈴木宗男さん、石川さんの2人の国会議員を出し2人ともつかまっている。
   国とのパイプを失って、十勝は個人が頑張って行くしかない。国がバックアップしてもらいたい感じがある」

   北海道帯広出身の清水が心配するのは分かるが、あまりのも唐突な発言に、コメンテーターとして登場するようになった清水の狙いは何なのか勘繰りたくなった。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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