小沢元秘書有罪―判決文に目立つ「推認」「と見るのが自然」

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   大半の検察側供述調書を証拠採用で却下したのに、裁判官の出した結論は有罪だった。小沢一郎・民主党元代表の元秘書3人の政治資金規正法違反の判決をめぐって、コメンテーターからは「腑に落ちない」の声も上がった。

証拠・調書乏しく状況証拠積み重ね

   東京地裁が検察側の供述調書の多くを証拠不採用にしたために、判決は事実関係に対する被告側の説明が合理的か、不自然さはないかに重きを置いた。

   判決文を見ると、「…と見るのが自然で合理的だ」「工作と見るのが自然だ」「…と考えるのが自然だ」とか、「強く推認される」「合理的に推認できる」など、推測の文言が多用されている。形式的な体裁を備えていれば是とされていた政治資金収支報告書だけではもはや通用しない「政治とカネ」の問題に、実態を捉え厳しく対応したのだろう。

   その一方で、「初めにシナリオありき」の捜査手法で地検特捜部が批判され、検察改革の機運が高まっているなかで、今度は裁判所が検察と似たような状況証拠だけで判断したのにはやはり危惧をおぼえる。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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