世界経済の先行き不安から金価格が上昇、高値の取り引きが続いている。タンスに眠る金製品や、なかには入れ歯まで売りに出す人もいるそうだ。こうしたブームに目をつけた悪徳商法も出てきてトラブルも急増。「朝ズバッ!」が実態を報告した。
取扱業者に持ち込まれる「家で眠っている金製品」
大阪のある金取扱業者。母親と娘が金杯1個とアクセサリーを持ち込んだ。
「テレビで見ていたら、似たようなのを結構高く買ってもらっていた。うちのもどうやろなと思って」
金杯はそんなに小さくはない。そこそこ目方がありそうで、買い取り額は22万3600円だった。お札を手にして、娘は嬉しそうに「ハワイか韓国に行きます」
大阪の別の業者の店に50歳代の主婦と息子が金のアクセサリーを持ってきた。店員が「いくらぐらいならいいですか」と聞くと、主婦は「最低21万円ぐらい」。提示された価格は22万円。希望より高いので即売りかと思えたが、「うーん、どうしょう」。さすが大阪、すぐには売らない。「もう1軒回ってから。また来るかもしれないけど」と息子が言うと、店員「いまお譲りいただけるんでしたら」と価格を再提示した。
それを見た息子「多分これ以上にはならないと思う」
主婦「じゃあ、お願いします」。
24万2000円だった。息子は「今日はおいしいものを食べよう。肉か寿司」とにんまり。
この業者は出張買い取りも行っている。この日は工場経営者の自宅へ出向く。眠っている金製品を全部処分したいという妻が対応する。金杯、ネックレス、ピアス、指輪、眼鏡フレーム、仏像等々。仏像はお土産にもらったものだそうだが、これだけでなんと19万円。全品の総額は194万700円。「すごーい」と大喜びの妻、さらに思い出したのか、「ちょっと待って、こんなのあった」と18金のアクセサリーを探し出してきた。これも加え、最終的な買い取り総額は226万4100円。「全然使ってないものがこんなになりました。大満足です」
国民生活センターに相談 去年の8倍
司会のみのもんた「あるところにはあるんだねぇ。あなたも探してみたら」
アナウンサーの加藤シルビア「あるところにはあるんですねぇ。私のところは金メッキのものが多そうで」
だが、いい話ばかりではない。「いらない金はありませんか」と個人宅を訪問して、相場よりはるかに安い値で買い叩く「押し買い」のトラブルが多発している。「ペースメーカーや医療器具に再利用したいので売ってほしい」などと言葉巧みに持ち掛けるという。国民生活センターによると、こうしたトラブルの相談件数は去年(2010年4月~9月26日)の222件に対し、今年(2011年の同時期)は1802件と8倍以上に達している。
対処法としては、名刺や買い取り証明書を必ずもらうこと、強引な勧誘を受けたら警察へ連絡することだ。