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検証の必要あり!「放射能つけちゃうぞ」藪の中のまま大臣辞任

   「サンデー毎日」は鉢呂辞任のあとの定例会見で「報道のあり方についてもう一度考えてもらいたい」と、オフレコ懇談を記事にしたのはおかしいのではないかと発言した輿石東幹事長へ批判の矛先を向ける。放射能つけちゃうぞ発言は9月8日で、「死の町」発言は9日だったが、フジテレビを除いて1日遅れの9月10日の報道になったことについて、各社にアンケートをしている。ほとんどの社が「死の町」発言で閣僚の資質に疑問を持ったため報道するべきだと判断したとしているから、放射能つけちゃうぞ発言があったとき(その通りの発言があったかどうかははっきり書いていない)、重大な問題発言だと思ったわけではないようだ。

   もちろんオフレコでも報道すべきはやるべきで、弱腰になるなと、オフレコ懇談自粛や取材拒否を目論む輿石幹事長の情報統制には怯むなとしている。朝日のように「放射能つけちゃうぞ」という発言内容が微妙に各社違うことについては、アンケートはしたようだが、おそらくどこも答えなかったのだろう。触れていない。

   大臣になったばかりで、被災地住民の神経を逆なでする発言は軽率の誹りを免れない。だが、「放射能つけちゃうぞ」というバカな行為がなければ辞任までいったであろうか。その重要な発言が藪の中である。バカな大臣がバカな発言をしたというだけで終わりにするのではなく、新聞、テレビ、週刊誌はいま一度、この件に関して検証してみる必要がありはしないか。

   そのうえで、情報統制を強めようとする輿石幹事長に戦いを挑めばいい。都合のいいときは大本営発表をそのまま載せて、都合が悪くなると情報統制だと騒ぐのでは、メディア不信はますます強まるばかりである。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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