いかにも「週刊新潮」らしい「原発御用学者」の愚痴と本音
福島第一原発事故から半年以上が経つが、原発関連記事が新聞・テレビはもちろんだが、週刊誌からも少なくなっていくのが気になっている。細野豪志原発事故担当相がウィーンの国際原子力機関(IAEA)本部の年次総会で、東京電力福島第1原発の「冷温停止」の時期を「年内をめどに達成すべく全力を挙げる」と約束したと報じられた。これを流した新聞・テレビはこの言葉の裏をとったのだろうか。IAEA総会での政治的発言にしか過ぎない大ボラを、そのまま載せることにためらいはなかったのか。
新潮に新潮らしい原発記事が載っている。「特別読物 御用学者と呼ばれて」がそれである。タイトルは地味だが6ページ、4人の「御用学者」とレッテルを貼られた放射能の専門家たちが、反原発派の学者だって悲観論を述べて、何とかのウソみたいな本を書いて売っているのだから「御用」ではないかと、少し愚痴りながらも本音で語り合っている。できればここに反原発派の専門家を入れて大論争してもらいたかった。
みんが悩んでいるのは、放射線のリスクをどう伝えるかが難しいということである。タバコを毎日20本吸うと年間100ミリシーベルト被曝するのと同じリスクがあるし、ハワイに行って紫外線で真っ黒に焼くほうが危ないのに、放射線だと急に神経質になるのはおかしいといっているが、放射線の危険については一般人も含めてもっと論議を尽くすべきだと、私も思う。