たけし「ヤクザに土下座したけど頼んだことない」世間に通用するか…

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暴力団との交際「オイラは紳助とは違う」(たけし)

   「週刊文春」は新聞・TVが触れない最大のタブー、ビートたけしにインタビューし、暴力団との交際の真偽について語らせている。島田紳助引退騒動以来、芸能界と暴力団との癒着が騒がれている中で、この大物芸人を引っ張り出したのはお手柄である。

   たけしには軍団を率いてフライデー編集部に殴り込んだ事件があり、つくる映画の多くがヤクザを主役に据えたものであるため、紳助騒動の直後から注目を集めていた。実際、右翼の街宣活動を何度も受け、稲川会の稲川聖城総裁と「新潮45」(02年5月号)で対談をしている。そうした疑惑にたけしは、オレは紳助とは違うと、こう明快に答えている。

「これまで何度も右翼団体から街宣活動かけられたことがあったけど、オイラは紳助と違う。ヤクザに仲介なんて頼んだことない。最初はフライデー事件の後、日本青年社に『復帰が早すぎる』と街宣をかけられたときだな。一人で住吉の堀さん(政夫氏、当時・住吉連合会会長)のところへ行って、土下座して謝ったの。その後、右翼の幹部にも会って、それで終わりだよ。ヤクザを頼ったとか、カネ払ったとか噂されたけど、一切ない。タレントとしてそいういのを上手くやって逃げるのも本人の『芸』だっていっているんだけど、紳助は『芸』がなかったな」

   暴力団の親分の娘が「たけしに会いたい」とねだったために連れ去られたこと、山口組五代目渡辺芳則組長と無理矢理会わされたこと、たけし軍団には親父がヤクザという者までいるという話から、暴力を扱った映画がなぜ多いのかについて、たけしはよくしゃべっている。「暴力団排除条例」についても、これからはその条例を盾に暴力団の誘いを断れるから助かると話す。そして、紳助の過ちは「一番肝心な『ヤクザにモノを頼む』っていう大失敗をしでかしたこと」だと総括する。

   この記事に文春の底力を見るのは私だけではないだろう。たけしを連載している「週刊ポスト」の担当者は困っているのではないか。だが、はじめに引用したたけしのコメントにあるように、フライデー事件の後、ヤクザの親分のところへ行って土下座したのは、頼んだことにならないのだろうか。たけしは「謝ったんで頼んだんじゃない」と反論するかもしれないが、世間ではこういうことを「頭を下げて頼んだ」というのだ。芸能人が常に暴力団との親密交際の危険にさらされているかがよくわかる「好企画」である。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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