脱原発を訴える「さよなら原発集会」が19日(2011年9月)に東京・明治公園で開かれ、ノーベル賞作家の大江健三郎が「私らに何ができるか。私らはこの民主主義の集会、市民のデモしかできないのです」と参加した6万人(主催者発表)の市民に呼び掛けた。
以前から反対しなかったことを後悔
これほど多くの市民が全国から集まったのは最近では珍しい。群馬県から参加したという子供連れの主婦も次のようにきっぱり言い切った。
「以前から原発に対して疑問を持っていた。そんな時に福島の爆発があり、なんで前から反対しなかったのだろうかと後悔した」
集会後は新宿や渋谷の繁華街を手にプラカードを掲げて3時間のデモ行進。主婦は「疲れましたが、良い経験ができた」という。
スタジオでは、集会に参加したという舘野晴彦(月刊誌『ゲーテ』編集長)がこう話す。
「大江さんも、署名運動してもデモをしてもダメだとクールに構えているよりは、動きださなくてはいけないということを言っていたが、その思いが詰まっていましたね。ものすごい熱気だった。
僕らができることは、あとは情報をチェックすること。ついに日本人は立ちあがってきたなという実感が持てた」
政府や官僚の言うことを鵜呑みにし、コトを曖昧にしてきた日本人の体質。原発問題で変わることができるかどうか…。
文
モンブラン