好き嫌いはっきり分かれる美意識と恋愛観
河瀬がいつも描こうとしているのは、名もなき人々の生き様。そこには圧倒的なまでに大きく普遍的なテーマが潜んでいる。それが彼女の作品が世界で数々の賞を受賞してきたゆえんなのかもしれない。その点では、同じく世界で評価が高い北野武や松本人志と通ずるものがある。
ただ、いずれの監督の作品も己の世界観が強すぎて、日本人の間では好き嫌いがいつもはっきり分かれてしまう。今回の作品もしっくりくるかは好みの分かれるところだろうが、日本人にしか作れない作品であることは間違いない。日本人の普遍的な美意識や恋愛感に興味のある人にオススメしたい。
バード
オススメ度:☆☆☆