ワイド系情報番組の定番であるグルメの秋、味覚の秋――は、春や夏の定番ネタと同様、「放射能の秋」に取って代わられてしまった。
まもなく収獲が最盛期を迎えるという福島県内のハウス菌床しいたけ農家。出荷しても売れ行きが思わしくなく、スーパーで1袋100円に値下げしても、返品されてしまうという。
「こんな形のいいしいたけが100円でも売れない? 信じられない。いいしいたけですよ」。司会の小倉智昭が声を張り上げる。
あくまでサンプル検査
農家の男性は「なんぼ価格を安くしても、『これおっかないんじゃない』となると買ってもらえない」と嘆く。
県の公式な検査で放射能は検出されていないというが、それでも売れない。農家は安全性PRのため、県に証明書を発行してほしいと求めるが、県は難色を示している。なぜなら、検査は一定の範囲のサンプル検査なので、実際に調査していない個々の農家、商品に対して証明は出せないからだそうだ。
結局のところ、サンプル検査は出荷の可否などを確率論的から決定めるものであって、個々の商品の放射能値が基準以下であることを保証してはくれないようである。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト