どじょうの群れから早くも金魚? いや増税をちらつかせるピラニアが飛び出した。小宮山洋子厚労相は増税論議はムダを削ってからと慎重論が大勢の中、9月5日(2011年)の会見で、所管でもないに来年度税制改正でたばこ増税を求める考えを示した。
「たばこ税収こっちに欲しい」の支離滅裂
厚労相の就任会見なのだから、震災地の雇用対策から放射能汚染による被災地の子どもたちへの影響など、国民が聞きたいことは山ほどある。ところが、小宮山は開口一番、たばこ増税! この人にとっては一番取っ付きやい単純な話題なのだろう。増税の狙いは税収を上げることでなく健康を考え喫煙にストップをかけることだという。
昨年10月に1箱100円値上げしたばかり。この時ダメージを受けたのは、愛煙家と同時に街の専業たばこ屋さんだ。そんなことはどこ吹く風で、さらにこんな支離滅裂な主張を展開した。
「8~9割の人が本当は禁煙したいと言っている。どうせやるなら(もっと増税して)背中を押してくれという声も実は多いんですよ。たばこ事業法で財源として財務省が持っているのがおかしい。厚労省が持てるようになればいい」
たばこ事業法は専売公社時代から、喫煙を奨励し税収を上げるのが目的。それを厚労省が持ってどうする。
「おやじ狩り」というより「おやじ殺し」
たばこを1日2箱吸うという野田首相は、財務相の時に「(たばこ増税は)税制を通じた『おやじ狩り』みたいなもので、そんなことやっていいのかという議論もある」と語っていた。それが700円となれば『おやじ殺し』になる。スタジオでも、たばこを吸わない司会の羽鳥慎一が「700円は高いですね」と感想を漏らした。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト