2004年の全国高校総体で、バスケットボールで優勝した福岡第1高校のセネガル人留学生選手の年齢詐称問題が尾を引いている。校長が9月5日(2011年)に怒りの記者会見を行った。
校長怒りの猛反論「侮辱的で一方的」
ことの起こりは全国高校体育連盟が3日、この留学生が主力選手として出場した高校総体の04年優勝、05年3位の記録を抹消すると発表したことだ。その根拠として上げたのが年齢詐称。08年に日本の外務省がセネガル政府に照会した資料では、1982年1月4日生まれなのに、86年10月4日生まれと偽ったパスポートで入学したことになっていた。大会当時21歳というわけである。高体連が管轄する大会では、その年度に19歳までの選手しか出場できない。
会見で都築仁子校長はこれに感情むき出しで反論した。
「どうしてこんな侮辱的な、一方的な、暴力としか思えないようなことをされるのですか。公平とか透明性はどこにあるのでしょうか、それに非常に憤りを感じます」
学校がセネガル政府に直接問い合わせたところ、パスポート通りの生年月日だったというのがその根拠だ。
母親はあっさり「パスポートの生年月日違う」
しかし、校長は分が悪い。「モーニングバード」が留学生選手の母親に直接尋ねたところ、「1982年の1月4日生まれですよ」という答えが返ってきた。
司会の羽鳥慎一「お母さんが言っているのだから間違いない。戸籍制度がどのくらいしっかりしているか。マラソン大会でアフリカの選手に年齢を聞いても、『分からない。デッカイ洪水があった年』と本気で言われるんですよ」
ただ、スタジオコメンテーターからはこんな意見も出た。
「双方の意見が食い違い、はっきり確認する前に処分を出してしまったのはちょっと変だ。個人的意見だが、個人プレーなら(抹消も)いいが、団体競技では一緒に苦労してきた仲間のことを考えるとそれはどうかなぁ~」(男性雑誌『ゲーテ』編集長の舘野晴彦)
高体連は外務省を通じて確認し処分を出しているようだし、団体競技であっても優勝を競った相手校のことを考えると主力選手が年齢詐称では処分もやむを得ない。ただ、先進国でも日本のように戸籍が整っている国はないし、その日本でも1年前には江戸時代生まれがゴロゴロ出現した。