「子ども精神薬漬け」自閉症悪化―副作用否定し薬物療法続ける医者たち

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   精神系の薬物療法においては、薬の量が多すぎて、「クスリ漬け」ではないかといった指摘がたびたびなされるが、このごろは子供にも精神的なお薬の投与が広がってるらしいという。厚生労働省研究班の調査では、専門医の約3割が未就学児に「精神薬」(向精神薬の番組用語らしい)を処方している実態があるそうだ。

「発達段階はものすごく薬の影響を受けやすい」

   こうした傾向に異を唱える向きもある。

   「発達段階にある子供の脳は、ものすごく薬の影響を受けやすい。できるだけ控えたい」(清水誠・児童精神科医)

   「子供に薬が効くかはよくわからない。子供向けの臨床試験をしてない。そうしたなかで、長期に投与するのは非常に問題が大きい」(伊藤隼也・医療ジャーナリスト)

白目を剥き体に震え

   当時2歳の長男が受けた薬物療法に対して、両親が疑問をいだいているケースを番組は取り上げた。小児神経科で「自閉症」で、脳機能に障害があると指摘され、ドパストンという「精神薬」を処方された。本来、パーキンソン病の治療に使われる薬だが、一部医師は自閉症の子供にも処方しているという。その際、副作用の心配はないという説明を受けた。

   しかし服用をはじめてから、長男は寝付きが悪くなる、おかしなことを言うなど、状況が悪化したという。病院側から薬の副作用ではなく、自閉症による症状と説明を受けた。10年近く薬物治療を続けた結果、白目を剥いたり、体が震えるといった症状に悩まされた。

   この間、別の病院で診察を受けるため、紹介状を書いてもらおうとしても、なかなか応じてもらえなかったという。薬物治療をやめてからは、症状に改善の兆しが見られるそうだ。

   病院側は番組の取材に、診断・処方に問題はないと回答している。

文   ボンド柳生
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