被害甚大化に対応できてない防災行政
台風災害について、東大非常勤講師で気象予報士の河合薫がいう。
「台風は予測できる。予測できるから備えることができる唯一の災害といわれている。しかし、今回、雨が降っていることはわかっても、的確な避難勧告を出すことができなかった。そこが悔しいところ」
みの「台風の進路、予想の雨量、山や川の危険性についてもわかっていたはずでは?」
河合「わかっているはずと思うんですよ。震災の時もそうだけれど、昔と同じ方法で防災訓練を行っていた。今の防災訓練を実施し、今の防災に取り組んでいかなくてはいけない」
それはもっともだが、予測できても備えることがなぜできなかったのか。今の防災の取り組みには何が必要なのか示してもらわないとピーンとこない。河合はさらに、温暖化との関連にも触れていた。温暖化の影響で台風の発生数が増えるという説と減るという説があるが、台風が強くなるとの見方は一致している。従って、温暖化が進むとともに、甚大な被害をもたらす台風がやってくる確率は高まるという。
けさ(2011年9月6日)の朝日新聞は、今回の地滑りや土砂崩れは基盤もろとも崩れる「深層崩壊」だったと指摘している。そうしたことも含め、台風災害のメカニズムや防災面からの専門的な分析も聞きたいところだったが、もう一つ食い足りない内容だった。
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト