国際基準では「ほぼ安全」だが…
ゲストの慈恵医科大・浦島充佳准教授に、キャスターの国谷裕子が「妊婦の方たちの放射線量は1~6ミリシーベルト。胎児の影響をどう捉えたらいいのでしょう」と聞く。浦島の説明はこうだ。
「どのくらいだったら、あるいはどの程度以下なら安全という基準はないが、ほぼ安全と思う。その理由は、国際放射線防護委員会では『年間10ミリシーベルトの低線量以下なら癌のリスクは上がらない線量域』とされている。自然から来る放射線レベルの高いところでは年間10ミリシーベルトという高いところもある。
チェルノブイリ原発事故の周辺では、妊娠中の胎児への影響はなかったとされ、出産後の甲状腺がんの発症例はなかった」
それでも、ふる里で出産したいという願いと胎児の健康への不安という板挟み状態は続く。
国谷「その判断はどうすればいいのでしょうか」
浦島「放射線の健康への影響についての情報をしっかり入手し、最終的には母親である妊婦が、どこに住めば安心して出産し、子育てができると感じられるかを決めるべきだと思う。
避難先で流産しそうになった妊婦さんもいたと聞く。そういうリスクより、若干、放射線が高くても、自分が慣れ親しんだところで安心して出産するのも正しいチョイスと思う」