野田佳彦新内閣発足へ向け焦点は閣僚人事だが、内閣の要の官房長官人事が手間取っているようだ。今日1日(2011年9月)中には決まるはずだが、恒例行事のごとく、「朝ズバッ!」が予想を試みた。
先日の幹事長人事では、親小沢色が強い輿石東氏の起用はないという見立てで「外れ」だったが、官房長官人事は見事に「当たり」となるかどうか。井上貴博アナウンサーが候補にあがっていると紹介したのは、城島光力前政調会長代理、川端達夫前文科相、岡田克也前幹事長、藤村修前幹事長代理の4人。
今朝の新聞各紙も同じような顔触れながら、読売新聞は「官房長官 岡田氏で調整」と見出しを打ち、毎日新聞は「財務相に岡田氏浮上」、朝日新聞は脇の見出しだが「城島氏入閣」とまちまちだった。
知名度なく派手さなく…だから名前上がる3人
司会のみのもんたがコメンテーターの東京新聞政治部次長・金井辰樹に聞く。「東京新聞は誰に丸を付けるのですか」
金井が解説する。今回の官房長官人事のポイントは、党内バランスと身内起用の両方をねらっているところにある。党内バランスを重視すれば川端、(井上アナはあげなかったが)鹿野道彦農水相の名前もあがってくる。身内を重視すれば、野田と同期で側近中の側近といわれる藤村や実力者の岡田に加え、蓮舫前行政刷新相も加わってくる。城島はその中間当たりに位置する。
金井「みなさん、知名度の高い岡田さんと思っていらっしゃる方が多いと思う。しかし、野田さんは地味で泥臭さを売り物にしている。むしろ知名度のない地味な人を選ぶのではないか」。
その点からいえば、花のある蓮舫はそぐわない。また、岡田は菅政権の幹事長として小沢系からの批判もあるし、本人も辞退の意向を漏らしている。鹿野も中間派とみられていたが、代表選でジャケットを脱いで野田支持の「サイン」を出し、上着と一緒に「小沢」を脱いだともいわれ、小沢系を刺激しかねない。
そうすると、「城島」「川端」「藤村」が残ってくる。3人とも地味で金魚のような華やかさはないが、「どじょう内閣」を支える顔としてはふさわしいのではないかというわけだ。
時代は変わり、人事調整も料亭でなく議員宿舎
こうした予想とは別に、金井は昨日(8月31日)、野田が赤坂の議員宿舎に帰って人事の調整をやっていたことに時代の変化を感じたという。
「ついこの間まではホテルとか料亭を使っていたのに、政治の世界も少しは変わってきた」
北川正恭(早大大学院教授)「昔は料亭は秘密が守れるからいいと言っていたが、今はオープンの時代だ」
小松成美(ノンフィクション作家)「そういえば、最近、(小沢さんも)居酒屋へ行かれるようですね」
最後も地味な話で落ち着いた。