「週刊ポスト」「週刊朝日」の小沢待望論
それでは遅い、いますぐに小沢を総理にしろと大声で主張するのは「週刊ポスト」である。「『脱小沢』暗黒代表選全内幕」では、小沢のブレーンが小沢の胸の内をこう推測している。
「小沢さんの目的は党全体をもう一度、政権交代の初心に立ち返らせることだ。野田さんにも側近を通じて『増税路線を凍結し、マニフェストの原点に戻るなら支援も可能だ』と再三、説得してきた。結局、野田さんは踏み切れなかったが、執行部派の有力候補である前原誠司氏が増税慎重論に転じたのは小沢氏の意図を理解したからだ」
日本政治ウオッチャーのヴァン・ウォルフレン=アムステルダム大学教授も、「週刊朝日」(榊原英資との対談)で、いまこそ小沢が必要なのだと援護射撃をしている。彼は1993年の政変以来18年の長きにわたって続けられてきた反小沢キャンペーンは、悪意に満ちアンフェアだと断じる。そして、日本の政治を官僚の手から取り戻すという民主党が掲げた改革は、菅や前原、岡田のような官僚の顔色を窺う政治家ではできはしない。それができるのは小沢しかいないのだし、自らも自覚すべきだとエールを送る。その上こうまでいい切る。
「小沢氏が党内で力を発揮する体制をつくるために、民主党の議員たちには、告訴を取り下げさせて小沢氏の裁判をやめさせる行動を取るべきだと提案したい」
ウォルフレンは小沢が彼にこういったと話している。
「現在の総無責任状態が続くと、日本には永久に民主主義が根付かない」
長年の小沢ウオッチャーである私は、小沢から民主主義を説かれるほどまでにこの国は堕してしまったのかと嘆息するしかないが、さりとて野田や鹿野が総理として適任だとはとても思えない。政治の混迷は。まだまだ続くようだ。