天竜川の川下り観光船の転覆で行方不明になった3人の捜索は、きょう19日朝(2011年8月)も続続けられたが、まだ見つかっていない。事故の原因と見られる急流の渦の様子もわかってきたが、なぜ操船を誤ったのかがよくわからない。
スリル味わうサービス
沈んだ船の舳先で案内していた船頭の大畑茂雄さんがきのう会見した。自らも流れに飲まれ渦に引き込まれて、「もうダメか」と思ったというが、操船がどうだったのかはよくわからないと話す。舵をとっていたのはもう1人の船頭の北橋国幸さん(66)で不明のままだ。
川下りを運営している天竜浜名湖鉄道の話では、渦を通過するのは「スリルを味わうサービス」で、それ自体を疑問に思ったこともないという。事故のときも、前にも後ろにも船がいて、それらは何事もなかった。また、「スッキリ!!」が取材中も警察の船が問題の渦に突っ込んでいったが、危ない様子はなかった。
こうした認識から救命胴衣の着用もずさんだった。大人は救命クッションだけで、胴衣の着用を決めていた「12歳未満」も「暑いですから脇に置いておいてください」という状態で、子ども7人のうち着用していたのは1人だけだった。
転覆してから救命衣間に合わない
これまで、事故もなかった、安全だという思い込みでやってきたということだ。では、なぜ事故は起ったのか。カジをとっていた北橋さんは船頭経験3年だったが、カジをとるようになったのはこの3月から。しかし、同じ日の午前にも同じ船頭のチームでコースを通っている。ここがわからない。
司会の加藤浩次は「渦を通るのはお客へのサービスだという」
キャスターのテリー伊藤「それは自然ですけど、操船が未熟ですよね。ここですよ」
レポーターの阿部祐二は「カジをとるという点では新人でした。しかし、その役になるのに資格があるわけではなくて、先輩の船頭が『もうカジをとっても大丈夫』というようにして決めていた。渦はいくつもあって、あの日は強かったらしい」という。
加藤「転覆してから救命胴衣やクッションをとるというのは無理だよね」
弁護士の八代英輝は「事故の原因は操船ミスで間違いないと思うが、被害が生じたのはまた別。救命胴衣もいまはいろんなタイプがある。暑いからつけなくていいというのはプロとしてどうか。シートベルトと同じように扱うべきだ」
テリー「座布団にしていたものを急にって無理だよ」
阿部「ひもを付けるとか考えているようです」
事故が起るといつもこうだ。後から考える。