東日本大震災以前は滑らかだった宮城県沖の海底に亀裂が入り、破壊されていた。有人潜水調査船「しんかい6500」から海洋研究開発機構の藤倉克則氏が撮影した海底の様子が公開された。
撮影されたのは震源地とそこから100mほど離れた2か所の5000mの海底。幅約1m、長さ80m以上の亀裂が続く。藤倉によると、「2006年6月に撮影したときには亀裂はなかったが、今回潜って、思った以上に海底が破壊されているという印象。1km走っている間に3本も亀裂が見つかった。日本海溝全体で相当量の亀裂があると思う」という。映像を見て司会の羽鳥慎一は「これはすごい力ですね」と絶句。
地震亀裂で生態系も変化
別の異変も見られた。海底に張り付くように白い塊。これまで日本海溝付近では確認されなかったバクテリアだ。このバクテリアは亀裂から噴き出すメタンを養分に繁殖するという。ナマコの大群もすごい。
「ナマコは海底の泥をひたすら食べる。亀裂でなかから泥が噴出し、ナマコの大群を支えるだけのすごい量の泥が供給されたんでしょう」
羽鳥「こうやって生態系にもう影響が出ているんですよね」
今後、「しんかい6500」は3・11大地震が海底の生態系に与えた影響について調べるという。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト