朝日新聞よお前もか!幹部OBと電力業界のズブズブ関係
合併号が出揃ったが、質量ともに読み応えがあったのは、先週も書いたが、「週刊新潮」の「ワイド『大和なでしこ』漂流譚」である。単独の特集記事では現代の「東電マネーと朝日新聞」をおもしろく読んだ。
朝日新聞OB・井田敏夫が社長をしている「井田企画」が発行している「SOLA」という情報誌がある。事実上、東電のPR誌であるこの雑誌は、1989年8月に創刊された季刊誌であるが、この雑誌は東電本店営業部が一括して買い上げ、各営業所に配布される。編集長に元週刊朝日副編集長の江森陽弘、看板の要人インタビューには元朝日新聞論説主幹の田中豊蔵、元朝日新聞論説委員の岡田寛治が環境問題にまつわる寄稿をしている。また、「井田企画」の中に00年11月に「地球こどもクラブ」という特定非営利活動法人が設立されており、もちろん東電からも寄付を受けているが、北海道電力、東北電力、四国電力、日本原燃も会員企業になっている。ここにも先の元朝日新聞OBがずらり並び、中江利忠元朝日新聞社長までもが名を連ねている。
朝日新聞は世間で反原発寄りだと見られているが、総論では原発推進に賛成してきたし、その社論をリードしてきたのは田中慎次郎に始まる「田中学校」だったと、現代は指摘している。中でも岸田純之助は科学畑が長く、電力業界とは親密で、関電の広報誌「縁」の監修者にもなり、91歳のいまも「日本原子力文化振興財団」の監事を務めているという。
江森はインタビューに答えて、こう話している。
「(中略)恥ずかしい話しですが、地震が起きてやっと気が付いたんです。これは東電が朝日新聞を巻き込んだ世論操作のための隠れ蓑だったのかもしれない、と。かかわっているメンバーを見れば、それは否定できないですよね。気付くのが遅かったんです」
「原子力の父」正力松太郎が社主として君臨し、日本の原発の旗振り役をしてきた読売新聞と東電との関係はもっとズブズブだろうが、朝日新聞よおまえもかである。