市長は「市も口出しできません」
放射能汚染を気にして、岩手県陸前高田の景勝地「高田松原」のなぎ倒された松の使用を止めた京都の五山の送り火。「モーニングバード」は続報で、なぜ止めたのかと門川大作・京都市長を直撃した。
「大文字保存会」が決定
京都市長が困惑気味に話す。
「こういう決定をしたことは極めて残念。でも、こういう祭りや伝統行事は主催者側の意思を尊重しなければならない。市に決定権はまったくありません。何百年も続いている行事は、市がこうしなさいああしなさいとはいっさい言えない」
市には使用を止めたことへの非難の電話やメールが全国から300件以上も寄せられたという。が、市側は決めたのは主催者である大文字保存会、市は関知できないことを強調する。
では、大文字保存会は来週16日(2011年8月)の「五山の送り火」を前にどう答えるか――。
松原公太郎理事長は顔をしかめ、「保存会の会員のなかで不安があるという意見があったので断念した。ともあれ、そんなことより明日からのことに全力を挙げたいと思います」と早く忘れてくれといわんばかり。
高田松原の薪やっと地元で「迎え火」
陸前高田市では8日夜、被災者の思いを綴った使われなかった薪が「迎え火」として燃やされた。参加した女性は「こうやって頂けるだけでよかった」と涙を流す。
スタジオでは、陸前高田市に祭りの取材に行ってきたばかりの赤江珠緒キャスターの表情がこわばっている。
「『五山の送り火』には魂を慰めるためとか、国の安寧という意味合いがあるにもかかわらず、名折れですよ」
五山の送り火では、被災地の人たちのメッセージが別の護摩木に書き写され燃やされるという。そんなことやられれば、かえって被災地の人たちは複雑な心境だろう。高田松原の松だから意味がある。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト