放射能汚染の不安が日本人の主食の米にまで広がってきた。農林水産省は昨日(2011年8月3日)、今年の新米の放射性物質検査を収穫前と後の2段階で行うことを発表した。予備検査と本検査によって、基準値の1キロ当たり500ベクレルを超えた場合は市町村単位(合併前)で出荷停止とし、主食の安全を確保したい考えだ。
古米1.5倍の値上がりで売り切れ
千葉県多古町は関東の早場米の産地として知られる。田んぼの稲は青々と育っているが、農家にとっては不安の収穫期だ。今日(8月4日)から千葉県の検査が始まるが、25年以上米作りに取り組んできた農家の1人はこう話す。
「出荷停止命令が来るかどうか心配な毎日。自分の努力だけではどうにもならないのでただ祈るだけです」
多古町のうなぎ屋さんも「多古米あっての商売をやらせてもらっているので、数字が出ないことを信じています」
お米屋さんでも異変が起きている。いつもならこの時期は古米の販売量が減るのに、今年は買い手が殺到しているという。東京都北区の専門店では、あきたこまちやコシヒカリなど20銘柄を置いているが、13銘柄はすでに売り切れた。1度に100キロもまとめ買いする人もいる。産地の農家に問い合わせても在庫はない。
新潟県のJAの倉庫からも古米が消えていた。残っている古米もすでに買い手がついている。市場での取引価格も震災前の1.5倍に上昇、古米の価格が新米の価格を上回る事態さえ起きかねない状態だ。
たまたまホットスポットに当たったら…
「弱りましたねぇ。ここまで来たか」と司会のみのもんた。コメンテーターの三屋裕子(スポーツプロデュサー)は2段階の検査にも疑問を呈す。
「予備調査で放射線量の高いところを検査するといっても、ホットスポットといって局所的に高いところがある。どこを調査するかによって全然違ってくる。それに米は流通ルートが複雑だし、網をかけるのがなかなか難しい」
出荷停止になった米を廃棄処分にするといってもどう処分するのか。補償の問題もまだきちんと固まっていない。
みの「まだ検査の結果は出ていないが、日本の食文化が根底から覆る問題になれば大変なことだ」
決して、大袈裟な話ではない。