異例ずくめ温家宝首相「事故現場訪問」で批判かわせるか

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   広がる批判の鎮静化を図る狙いで、「最後の切り札」の温家宝首相が中国高速鉄道の事故現場に乗り込んだ。温家宝は花束を手向けたあと、頭を深々と3度も下げた。頭を下げる習慣のない中国では異例という。

   集まった国内外の報道陣を前に、これも異例の記者会見に臨んだ。「体調不良で11日間寝込んでいました。やっと医師の許可が出て無理をしてこの場所に来ました」と述べたが、中国の指導者が公の場で自分の体調について述べるのもやはり異例だ。

   中国の女性記者から「今回の事故は天災ですか、人災ですか」という厳しい質問が飛ぶと、温家宝は「われわれは慎重に調査を進めています。その調査結果があなたの質問の答えになるでしょう」とかわしたものの、「もし事故調査の過程で癒着が明らかになったら、法に則り関与した者を厳正に処分し罰するでしょう」と、事故責任にまで言及した。

最後の切り札

   温家宝の異例ずくめの訪問も、逆に見れば党や政府の危機感のあらわれ。拓殖大の石平客員教授はつぎのように分析する。

「温首相は25日(2011年7月)には河野洋平前参院議長と会談しており、決して病院で寝込んでいたわけではなくパフォーマンス。事態収拾の最後の切り札という意味合いがある」

   事故真相の究明、さてどんな結末が待っているのか。

文   モンブラン
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