鉄道事故で火が付くか?中国「第2の天安門事件」

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   中国の高速鉄道事故から5日目の27日(2011年7月)、事故現場近くの温州の駅に犠牲者の遺族らが集まり、「事故原因の究明」を求めてデモ行進して駅を占拠した。そこへ「賠償金50万元(約600万円)」の話が飛び込み、「金じゃない、原因だ」と激高する姿もみられた。

   掲げられた横断幕には「真相を!」「死者に尊厳を」などと書かれ、当局の事故処理に激しい抗議の意思表示。従来なら当然動く警察も手を下さず、遠巻きに見守ったまま。国内世論に政府もピリピリしているのがありありだ。

メディアも圧力に抗して当局追及

   メディアは政府の圧力にもかかわらず、原因究明を求めている。追突された列車の運転士が「走らせることができた。そうすべきだったが、止まれと指示された」と証言していること、鉄道省が事故原因としている落雷はなく電源にも異常はなかったことなどを報じている。また、事故のあった区間は今月に入って大幅なダイヤ改正が行われたばかり。事故当時も乱れていて、衝突された列車は追突した列車の後を走っているはずだったことも明らかになった。

   中国政府は事故調査の専門家を現地に派遣、場合によっては刑事責任追及も辞さないとしているが、事故車両は近くの貨物駅に移されたものの、調査が始まった形跡はない。

   こうした人為ミスの可能性について、鉄道ジャーナリストの梅原淳は「故障がしばしば起るので、ATC(自動列車制御装置)を改良、あるいは解除してしまったのではないか」と見る。

   可能性としては、ほかにATCの破損、妨害電波による誤作動が考えられるが、ATCは信号が途絶えたり異常があったりしたときは、列車を止めるようにできている。それが止まらなかったのはフリー走行できる状態にしてあった可能性があるという。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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