スポーツやイベントの報道価値というのも、なんだかはかないものだ。テレビは、自局が絡んでいれば、それが世界最大最高の見物であるかのように局を挙げて押しまくり、そうでなければ、やってることすら忘れてしまうといった具合だ。
この数日のモーニングバードは、言うまでもなく「世界水泳」推し。番組のあちこちに世界水泳の情報が織り込まれている。
アテはズレた北島4位で意気消沈
今日は、北島の4位惨敗に沈んだ前日にくらべれば、スタジオには明るさが見られた。男子100m背泳ぎで、入江陵介選手が日本初のメダル(銅)を獲得したためである。そのレースの模様が、うるさい、いや興奮の実況とともにVTRで流れると、羽鳥慎一キャスターは「いやあ、やっぱりメダルは勢いがつく」と、ゲンキンな感想。
「それにしても3位と4位では、全然違うんですね」と、コメンテイターの東ちづるが言う。たしかに、北島の4位とはわずか1人の差で、番組の扱いは天と地ほど違っている。
そんなことは言うまでもない、という顔のテレビ人・羽鳥は、「やっぱりメダルは盛り上がりますね」とあらためてダメを押していた。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト