農水省の「農業知らず」で広がった牛肉稲わらエサ汚染

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

東京・世田谷の精肉店は売り上げ半減

   小売店や消費者への影響も深刻だ。東京・世田谷の精肉店は山形牛など東北ものが主。震災のあとは産地を支援したいと客も多かったが、セシウム騒動で売り上げは半減した。出荷停止で関西ものに切り替わったが、客足は戻らない。

   畜産農家は政府が出した出荷再開の条件にも不満だ。計画的避難準備区域などは全頭検査だが、 それ以外は一部検査にするという。「それでは消費者が納得しない。市場に出しても安値になってしまう」と、あくまで全頭検査を求める。これも難問だ。福島がこれから出荷するのは2万頭。しかし検査所は2か所しかなく、検査機器は12台。1頭の検査に1時間はかかる。これでは物理的に不可能に近い。

   そこで厚労省はいま「計画出荷」をいう。全頭検査で市場へ出たものの安全は保証す るが、数が落ちるのは避けられない。「生産者・消費者に我慢してもらうしかない」(大塚耕平・厚労副大臣)というのだ。当面、福島が対象だが、山形も独自に数を減らして全頭検査の構えだ。消費者の信頼を取り戻すためにどこも必死である。

   国は汚染肉の買いとりと出荷制限に損害賠償をする方向だが、元はといえば農水省 が農業の実態を把握していなかったためだ。それでなくても災害支援に予算が足らないというのに、とんだ「人災」である。新聞の投書欄に「ライオンを知らない動物園長と同じ。農水省は勉強し直せ」と手厳しい声があった。

NHKクローズアップ現代(2011年7月25日放送「牛肉になぜ~広がる放射の汚染~」)

ヤンヤン

文   ヤンヤン
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