「1人じゃないなんてテレビ、いまいましい」
高橋匡美さん「今の心の中は怒りなんですね。八つ当たりかもしれませんが、いまどんな広告やテレビ、パンフとか見ても、『ご冥福をお祈りします』と決まり文句が入っている。心から思ってくださっているんでしょうけど、いまいましく感じます。
テレビでよく『あなたは1人じゃない』っていいますね、見るたびに、じゃあなんで私は1人でここで苦しんでるんだろうって」
竹澤さおりさん「テレビでも何か月の節目とかいうが、なんか焦らされているような。だからなんだみたいな。私たちの気持ちは置いていかれてる」
竹澤守雅さん「地震どうでしたと聞かれると、『息子亡くしました』と応えるのが嫌で嫌で。買い物に行ってたところや散髪にも行けなくなった」
竹澤さおりさん「同じ立場の人から声をかけてもらうのはわかるけど、そうじゃない人からの気遣いは、素直に受け入れられない自分がいる。すごく性格が悪くなったような気がして疲れる」
取材した森本さやかアナは「同じ被災者でも、家をなくした人、肉親を亡くした人では違う。まして被災しなかった人だと、親友であってもなかなか本音で話せない。だからグリーフケアが必要なんです」と伝える。
司会の小倉智昭「前からあったもの?」
伊藤隼也(医療ジャーナリスト)「アメリカでは医療保険のなかに入っているが、日本では組織化されていない。被災地にも『心のケア』という張り紙はあるが、それではすまない。自立の道を開く必要がある。いまは臨床心理士、看護師、精神科医などがやっているが、組織化は国民的な課題だと思う」
グリーフケア「分かち合いの会」は、毎月第3土曜日に開いている。詳しくは「仙台グリーフケア」で。