中国東部・浙江省温州で一昨日(2011年7月23日)に起きた高速鉄道列車事故の死亡者は43人、負傷者は200人を上回った。列車の追突事故という、途上国のローカル列車ならともかく、中国が国の威信をかけて整備し、コンピューターで制御されているはずの鉄道でなぜこんな初歩的な事故が起きたのか。
車両は川崎重工製だが制御システムは中国が開発
事故は浙江省杭州発・福建省福州南行きの高速鉄道列車が高架橋を走行中に落雷の影響で停止、そこに後続の北京南発・福州行きの列車が追突した。双方の計6両が脱線し、後続の4両が高架から約15メートル下の畑地に落下した。中国当局は事故原因を「落雷による設備故障」としている。
先行していた列車には約900人、後続には約500人が乗車していた。大竹真アナウンサーは「後続列車では急ブレーキをかけるような衝撃はなかったといわれています」と伝え、関係者は落雷で衝突を回避する制御系統に重大な問題が生じた可能性があるという。
大竹「最初に停止した列車はカナダ・ボンバルディアの技術を生かした車両で、追突した車両は川崎重工業など日本の技術をベースにしていました。でも、外国の技術が生かされているのは車両だけで、制御システムは中国独自のものでした。
中国鉄道省幹部は、高速鉄道は安全よりもスピードを優先しているとも語っています」
立ち入り禁止にして重機で穴掘り
コメンテーターの勝谷誠彦(コラムニスト)は呆れてこう言う。
「事故現場には誰も立ち入らせてないらしい。しかも、重機で穴を掘り、転落した車両をすでに埋めてしまったといわれています。こんなことが許されるのか。
日本やドイツなどの新幹線のシステムには、ある距離まで列車が接近したら後続が自動停止をするリミッターみたいなシステムが採用されているが、中国ではこのリミッターを外している。ぶつかると思ったときには間に合わない」
司会の加藤浩次「中国では安全性をどう考えているのだろう。埋めたら、事故原因が分からなくなってしまうだろうに」
キャスターのテリー伊藤「要するに時速160キロしか出ない車を時速200キロで走らせているようなもの。危ないことこの上もない」
中国は最近開通した新幹線の「日欧製パクリ車両」を欧米で特許申請しようとしているが、安全軽視が特許ということかな…。