なでしこブームでも変わらない「選手の四苦八苦」生活・練習ギリギリ

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   やっぱり「ワールドカップ効果」は凄い。きのう(2011年7月24日)再開した「なでしこリーグ」は、どこもこれまで見たこともない数の観客に、選手たちもびっくり。しかし、実のところ彼女たちを取り巻く環境はちっとも変わっちゃいない。

試合当日も自分たちで会場設営

   なでしこジャパンに澤穂希選手ら7人を送り込んだ「INAC神戸」はいわば看板か。神戸のスタジアムには、気温30度の中、なんと1万7812人が詰めかけた。2か月前 の試合は448人だった。

   会場にのぼりを立てたり、飾り付け、グッズ販売のテント設営などは選手が手伝っている。グッズの数も少なくて、わずか30分でほぼ売り切れてしまった。結構なことなのだが、これらを伝える「とくダネ!」がひどいものだ。試合は代表の大野忍選手の2ゴールで神戸が勝ったが、最後まで相手チームがどこかもはっきり伝えていない(相手は千葉)。

   取り上げたチームはもうひとつ。岡山・美作市では「岡山湯郷ベル」と「伊賀FCくノ一」との対戦があった。こちらの観客3432人も記録的という。湯郷には代表の宮間あや選手らがいるが、伊賀には代表ゼロ。「とくダネ!」はもっぱら伊賀くノ一の紹介だ。ホームのグラウンドは芝が張ってなくて、選手は全員が仕事をしながらプレーを続けている。バイトなどの手取りは月10万円程度だから、3、4人でルームシェアしながら暮らしている。1回に50万円かかる遠征費を切り詰めるため移動はバス。選手たちの移動着(ポロシャツ、パン ツ)も選手の間で回していく。昼食はスーパーで調達といった具合だ。キャプテンは管理栄養士なのだが、「職場の人からコメは野菜をもらっている」と話す。

   この日の会場に着いて、観客の数に「すごいじゃん」とびっくり。試合は1―0で岡山の勝ちに終わって、くノ一たちはまたバスで去っていった。

北海道・美瑛町「あやかり商法」

   司会の小倉智昭「リーグ全体のレベルを上げていくことだろうね」

   夏野剛(NTTドコモ元執行役員)「世界一になったんでしょう。ビジネスとしても回っていくようにしないと」

   なでしこはたしかにいまは人気で、ファッションだのなんだのと伝えられるものの、全体では関心はごく限られている。北海道・美瑛町の四季彩りの丘になでしこがあるので、人気スポットにしようという話もある。

   夏野が「日本人はヒマなんですかね」(笑い)

   小倉「なでしこリーグに、『くノ一』というチームがあるなんて知らなかった。芝生を見て喜んでいたというんだから、なんとかしてあげたいですね」

   これまでも試合そのものが伝えられることはなかった。それが日の丸背負って世界に出ていくと、大騒ぎというのも、やっぱり変な話だ。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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