「もう半径20キロ圏内は戻れない」そろそろ発表する時期か
前回は「前編」を取り上げたが、「週刊朝日」の「福島第一原発『最高幹部』が語るフクシマの真実(後編)『新工程表はデタラメ』」も注目。東電が4月19日(2011年)に発表した旧工程表は、フクイチの現場は1年半というスケジュールを出したのに、これでは菅総理が納得しないと現場の意見を無視して、本社が9か月に短縮したと明かす。
現在の作業を妨げている最大の要因は汚染水だが、もし核燃料がメルトスルーしていると汚染水は非常な高濃度になっているから、チェルノブイリで日本の技術陣がしたように、地下にトンネルを通し、セメントやベントナイト(粘土鉱物)などを注入して固めてしまう方式にしたいのだが、国土交通省と経産省の連携がうまくいかず、適切な対応策が講じられていないと嘆く。
また、3月11日に1号機で水蒸気爆発が起きたが、その後の政府の避難指示のやり方は拙かったと指摘する。
「現場ではもっと広い範囲、少なくとも半径50キロは避難していると思った。(中略)避難範囲が半径30キロ圏内と聞いたときも、『大丈夫か?』と思ったのが正直な印象ですね。(中略)いま原発は何とか安定していますが、放射性物質がかなり飛散しているのが実態です。避難地域の見直しが必要だと思います。実際、もう半径20キロ圏内は戻れないと、そろそろ発表してもいいんじゃないか。子どもたちが学校に通うのは無理です。最初からもっと広範囲で避難させていればと悔やまれます」
この言葉を菅内閣の面々に読ませたいと思うのは、私だけではないだろう。