女子サッカーW杯で「なでしこジャパン」を世界一に導いた佐々木則夫監督(53)がスタジオに生出演し、司会のみのもんたが激闘の舞台裏を聞いた。
「アメリカが勝ったと思ったらカンフーシュート」
――アメリカのGKが日本チームのまとまりを褒めていましたが、やはりアメリカは強かったですか。
「スタートからかなり全開アメリカで来まして、これはヤバイと思いましたね。そこを日本の緻密な攻守で太刀打ちしようと3年間努力してきたなかで戦った」
――試合中の監督の心境は? 次々と用意してきた作戦を出そうと思ったんですか、それとも任せっきりだったのか。
「ベンチからああじゃない、こうじゃないと言ってもパフォーマンスであって、選手たちが変化を感じながら戦うという準備をして、選手たちが状況に応じたサッカーができるようになった。そういうところと相まってこういう結果になったと思います」
――前半が終わった段階でこれはいけると?
「前半の段階ではまだまだだった。ただ、立ち上がりは非常に固くなっていて、ボールを動かす部分で臆したところがあったが、それはクリアした。後半立ち上がりはアメリカの選手たちがさらにファイトしてきて…。
ただ、僕自身もこのファイナルを楽しみたいなというのがベースにあった。日本女子がファイナルにきたというだけで異常ですから。ところが、アメリカが勝ったなと思ったところへ、澤のカンフーシュートですから。あれは北京五輪の開幕戦で同点にしたのと同じパターンなんですよ」
「もうこれはめっけもんやとリラックス」
――PK戦の直前に円陣を組んだ時は笑っていましたが、誰を先にとか決めていたんですか。
「ボク自身も嬉しくて、もうこれはめっけもんやとリラックスした状態だった。これを選手に伝えたいとギャグも考えたんですが、順番も決めなければならないし…。そこへ過去にPKを失敗したことがある澤が『私は入れないで』と言ってきたんです。で、『お前は1点取ったから最後でいいや』と話したら和やかになった」
――いちばんの勝因は佐々木監督一本で来たことだと思う。
「それもありますが、澤を中心にいまバランスのいいチームになっている。いろんな選手が集まっているなかで、心身ともにチームワークが取れるかどうかがポイントなんですね」
「偉そうにしても鼻毛出てたらダメ」
高畑百合子アナが「監督は会見で『女子寮に閉じ込められたようだ』と話してましたが、選手を指導していくなかで気をつけていることは何ですか」と聞く。
佐々木監督「妻からは『選手にいくら偉そうなこと言っても鼻毛が出てたらダメよ』と言われ、娘にも『気を遣いすぎるのはよくない』『恰好つけるな、女だからといって』という指示をもらって、自然体、マイペースで対応しています」
奥さんと娘さんがすばらしい。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト