なでしこジャパンが19日朝(2011年7月)、成田空港に凱旋帰国した。キャプテンの澤穂希は「ドイツでは優勝の実感がなかったが、成田に着いて報道陣やたくさんのファンが来てくれていて、優勝したんだと実感が湧いてきた」と話した。
6月21日にW杯へ出発した際にやってきた報道陣は十数人、見送りのファンはほとんどなし。それが19日は報道陣が成田開港以来最多の260人、前夜からホテルに泊まったというファンを含め400人以上が出迎えた。
出と入りのこのギャップを広げたのは、強豪相手に一致団結し最後まで諦めないで成し遂げた快挙だ。
守護神・海堀の陰に2人のGK
なでしこジャパンは優勝報告のために首相官邸を訪れたが、佐々木則夫監督に菅首相も「今から勉強して間に合うかどうか分かりませんが、うまくまとめるというところを、ぜひ学びたいと思います」と言わざるを得なかった。
このあとの記者会見で、チームをまとめる秘訣の一端が明らかになった。「監督をすごいと思ったところは」と聞かれた守護人・海堀あゆみは、「PKの前の緊張するところで、リラックスさせてくれたところはすごい。とても心強かった」と話す。
これに佐々木監督が口をはさんだ。
「海堀をピッチに立たせるために、山郷のぞみ(36)と福元美穂(27)がビデオを見て一緒に研究し、海堀をサポートした力はすごい。海堀はボクから学んだことは一つもない。それをはっきり言え。そうだろう」
一瞬戸惑った海堀は言ったのは、「自分が本当に戦えたのは山郷さんと福ちゃんの支えがあったんで。いつも3人で戦っているつもりで戦っていました」
これには場内に爆笑が走った。ピッチには立てなかったが、優勝へ導いた陰の功労者を気遣う監督の人心掌握術なのだろう。
9月からロンドン五輪アジア最終予選
18歳から36歳までのなでしこジャパンの21人。次の目標はロンドン五輪の金メダルという。そのアジア最終予選が9月1日から始まる。
元なでしこジャパンのストライカー、大竹七未は「総力戦になると思うが、チームはできているので、(五輪出場枠)2位以内の結果を必ず取ってくれると思う」と断言する。