<全開ガール(フジテレビ系月曜よる9時)>なでしこジャパンの優勝、すごかったね。いまや、日本で野心と頑張り力があるのは女のほうだ。これはそんな今を映しているかのようなコメディである。
ヒロインの新人弁護士・若葉(新垣結衣)は野心全開の女。なにしろ、夢は自家用ジェット機で世界を飛び回り、「マンハッタンの鷹」と呼ばれる年収100億円(!)の国際弁護士。その原点には、幼い頃の超ビンボー体験がある。ゴージャスな夢のシーンと回想のビンボーシーンの対比は笑える。
立身出世のためならなんでもやるぞ
第1回のトップで見せた新垣結衣の振り袖姿はとってもきれいだった。外資系弁護士事務所で新人挨拶をするためだが、居並ぶ外国人弁護士たちにインパクトを与えるためには、真っ赤な振り袖でも何でも着ちゃうぞという勢いなのね。日本女性が海外で目立つためには、まだまだエキゾチシズムは利用できるのかも。もうそんな時代じゃないと上品に構えていたら、戦闘的な他のアジア女性に負けるだろう。
対するに、息子を保育園に預けて働く「イクメンのお手本」草太(錦戸亮)は、裏通りの古い食堂の料理人。いまイクメン、イクメンともてはやされるのは、ただ子供の面倒見がよいというだけでなく、出世はしなくてもある程度の安定収入はあるという男なのでは? 草太をはじめ荒川良々、鈴木亮平、皆川猿時のイクメントリオも、みんなパッとしない父親なので「花のイクメン」とは言えない。
文
カモノ・ハシ