肉牛の放射性セシウム汚染が止まらない。18日(2011年7月)には、福島のほか山形、新潟両県の12戸の畜産農家から国の基準を超える線量が検出された。宮城県内の稲わらの販売業者から購入したものも含まれており、放射能汚染が宮城県下まで広がっている実態が明らかになった。汚染されたとみられる肉牛505頭が東京などへ出荷されている。
宮城県まで放射能飛散
福島県内で汚染牛を出荷した農家は須賀川市や本宮市などの7戸で、本宮市の農家が地元で集めた稲わらからは1キロあたり69万ベクレルの高濃度の放射性セシウムを検出。411頭がこれまで出荷された。山形県内の4戸の農家が宮城県内の業者から購入した稲わらからも放射性セシウムを検出。70頭が山形、東京、奈良、宮城に出荷された。
新潟県内の農家が宮城県内の業者から買った稲わらからも8~15倍の放射性セシウムを検出。24頭の牛がすでに出荷されている。この農家は「宮城県から購入していたので安心して使っていた。それに昨年の稲わらと思っていた」と言い、まさに盲点を突かれたかたちだ。
農水省、厚労省の怠慢
司会のみのもんたが「稲わらは昨年秋に刈り取ったはずですがね」と首をかしげると、TBS解説室長の杉尾秀哉は「野積みしておいたのでしょう。その辺が周知徹底されていなかった」と解説した。
福島県も宮城県も大震災の被災地で対応に手一杯。エサとなる稲わらなら農水省、汚染肉牛は厚労省がきちっと放射能汚染の可能性を想定し把握しておくべきだった。縦割りの弊害か稲わらまで想定が及ばなかった。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト