女子サッカーのワールドカップで劇的な優勝を勝ち取った「なでしこジャパン」が19日朝(2011年7月)帰国した。成田空港はファン250人、テレビカメラ40台以上、報道人260人 というレディー・ガガをしのぐ騒ぎだった。
司会の小倉智昭が番組冒頭、「間もなく到着しますが、何をやっていてもすぐ切り替えます」と伝え、現場の新井麻希がスーツ姿なのを見て、「なんでサムライブルーを着ていない。『めざまし』は着ていたぞ。負けるなぁ」と、同じくフジテレビ系の前番組「めざましテレビ」(あさ5時25分)まで持ち出してテンションを上げる。と、次に現れた新井がブルーなのを見て、「だれからはぎとったぁ」「持ってきてましたぁ」「最初から着ておけよ」(大笑い)
GK海堀あゆみ「PK自分が止めれば勝てる」
到着までの間に、決勝を前にした選手たちの声やらなにやらが流れたが、小倉は「決勝の前に取材させてくれるなんて、これが最後だろうね」という。男子サッカーだったら考えられないことだ。
女子はほとんどがアマ。サッカーではめしが食えないから、みんな仕事を終わらせてから練習に駆けつける日々だ。そんな選手をまとめたのが、佐々木則夫監督(53)だ。2008年からアジア選手権2連覇、北京五輪では4位だったが、今大会で「なでしこ」の名を歴史に刻んだ。ゲストの元日本代表の大竹七未が「チームを組織的にした」という。選手にはやさしく面倒見がいい。選手の長所を引き出し、采配も冴えた。
日替わりでヒロインが生まれ、極めつけはゴールキーパーの海堀あゆみ(24)だ。決勝のPK戦で2本も止めたが、1本目は足の先だった。周囲は「頭がいい。抜群の反射神経」という。日本選手のPKのときも、これを見ようとせずピッチの隅で精神統一していた。「自分が止めれば勝てる」という思いだったという。
「政府の人気取り」に利用警戒
竹田圭吾(ニューズウィーク日本版編集主幹)「体格差を克服しないといけないスポーツはたくさんあるが、(なでしこは)サッカーというワクを超えて勇気を与えてくれた」
選手たちが首に金メダルを下げ、カートを押して現れたのは午前9時を回ったころ。みんなすっきりした笑顔だ。新井の呼びかけに応えてメダルをかざす 選手もいた。
小倉「国民栄誉賞をあげようというのに対して、政府の人気取りになると反対する向きがあるそうだが、あげようよ」
新井「初めて見た選手もいたんですけど、世界と闘ってきたのに小柄だなぁと感じました。選手たちは横にも縦にも大きいわけでもなく、あらためてすごいなと感じましたね」
小倉「うれしいね。明日のとくダネにはナマ出演してもらえます」