<ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える> あの男たちが1年ぶりにスクリーンに帰ってきた。昨夏、公開されるやいなや世界中の酔っ払いたちの心をわしづかみにし、27か国で公開され、昨年度ゴールデン・グローブ賞の作品賞まで受賞した「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」の続編。今回はタイを舞台に史上最悪の二日酔い男たちが大奮闘する。
記憶吹っ飛んだ「絶対1杯だけ」のバチェラーパーテイー
前作では消えた花ムコを探す悪友の一人だった歯科医のステュ(エド・ヘルムズ)が、本作ではなんと花ムコ役。タイ出身の美女と結婚することになった彼は、悪友のフィル(ブラッドリー・クーパー)、ダグ(ジャスティン・バーサ)、ダグの義理の弟アラン(ザック・アリフィアナキス)らを連れて、結婚式会場となるタイのリゾートへ向かう。
結婚式を2日後に控え、今回ばかりはこの前のように酔ってハメを外すわけにはいかない(前作のラスベガスではうっかりラスベガスの子持ちストリッパーと結婚してしまったし…)と決意の固いステュは、皆を怪しいクスリで酔わせたアランをとりわけ警戒。バチェラーパーティーも「絶対1杯だけ」という条件つきで、ビーチでごくささやかにビールを飲んだだけのはずだった。なのに、翌朝、二日酔いで目を覚ますと、またもとんでもない珍事が彼らを待ち受けていた。
エログロネタいよいよ炸裂
舞台がラスベガスからタイに変わったというだけで、はっきり言って大筋は前作とほぼ同じ。それでも、大いに笑え、最後まで緊張感も途切れないのは、やはり「二日酔い(ハングオーバー)」というテーマが共感を得やすいこと、記憶をたどり奔走する主人公たちと一緒に、観客も謎解きを体験できる楽しさがあるからだろう。酒&クスリで酔っ払い、常識ではあり得ない彼らの奇行・愚行は、常人には先が読めず、ある意味ミステリー小説以上にミステリー。観る者の想像力をかきたて、裏切りで応えてくれる。その面白さは今回も健在だ。
あえて言うなら、前作のラスベガスに比べて、タイという舞台はやや派手さに欠けたかなと思う。しかし、エログロネタは確実に本作の方が過激(通常版はモザイクが入り一部シーンカットもあり。六本木のTOHOシネマズ六本木ヒルズのみ『R18+無修正バージョン』を上映中)。数々の伏線をちりばめ、タネ明かしはエンドロールまでお楽しみ。花嫁の弟クンの指がなくなったわけは、 なぜアランが坊主に?… 最後の最後まで観客の心をつかんで放さない構成はお見事。
バード
オススメ度:☆☆☆☆