ハッキリしない政府援助
ゲストの中所克博(元JCO東海村事故・原子力損害調査研究会委員、弁護士)は「現在、東電に対して約600億円の損害賠償請求が出されています。しかし、この金額は氷山の一角。今回の事故で避難を余儀なくされた人は8万人以上になるわけですから、実際はこの2倍、3倍、それ以上にもなるでしょう。そうなると、いかに巨大企業とはいえ、民間企業が自力で払える問題ではなくなる。政府が援助をすると言ってはいるが、その援助がどの程度のものか見えていない。そのために、賠償金の支払いに二の足を踏んでいるのです」と解説した。
国谷「賠償金の支払いの範囲はどこまでになっているのですか」
中所「その範囲が明確になっていない。政府の救済策でも明らかではありません。だから、救済への対応がますます遅れているわけです」
7月14日(2011年)に新たに福島県の畜産農家から放射性セシウムに汚染された肉牛が出荷されていたことが明らかになり、原発被害はいまも広がっていて、収束のメドは立たない。
*NHKクローズアップ現代(2011年7月14日放送「『原発被害者』進まぬ救済」)
ナオジン
文
ナオジン