きのう(2011年7月12日)は全国21か所で猛暑日となった。暑ければ暑いほど節電圧力も高い。そんな中、菅首相が先週の国会で「埋蔵電力という魅力的な」と口走った。埋蔵電力を「とくダネ!」も追いかけた。
東京都の清掃工場で3万世帯分の発電
東京・大田区の清掃工場。1日に約600トンのゴミを燃やす、その熱でタービンを回して発電する。1日に5000kwを工場で使用し、残りを東京電力に供給している。電力需要が高まる昼間はさらにパワーアップする。この発電は東京23区にある20か所すべての清掃工場で行われており、最大9・6万kwh(3万世帯分)になる。
これまで停止させていたものを稼働したところもある。草加市の日本大昭和製紙では7月1日から稼働させた。グループ全体では最大9・5万kw、 東電と東北電力に供給する計画という。
東京電力など一般電気事業者以外による発電を埋蔵電力と呼ぶ。全国のPPS(特定規模電気事業者)を合わせると5400万kwで、原発54基分の4900万kwより多い。PPSは自前の発電と全国100か所から自家発電を買い付けている。広告宣伝費がないなどで料金も安い。横浜市のフェリス女学院大学はPPSに切り替えて、4500万円の電気代を数百万円節約できた。立川競輪場も6200万円を4500万円と3割の節約を達成した。立川では小中学校30校もPPSだ。ただ、埋蔵電力を利用するには条件があって、対象は50kw以上のの大口利用者だけ。一般は利用できない。
経産省庁舎は10年以上前から利用
では、この5400万kwのうち国が使える量はどれくらいなのか。経産省は180万kwとしている。半分は発電者自身で消費し、4分の1は整備不良で稼働ストップ中、残り4分の1の1300万~1400万kwは物理的には使用可能という。原発13~14基分だ。
ネックは燃料費の高騰で、これまで動かしていなかったのも「発電するより買った方が安いから」だった。日本大昭和製紙ももうひとつある発電施設は、燃料費がかさむからとまだ検討中という。むろん化石燃料だから、地球温暖化には大いにマイナスになる。
司会の小倉智昭「石巻へ行ったけど、あのがれきを燃やせば燃料になるはずなんですがね」
意外や、経産省は2000年 から総合庁舎についてはPPSを使っていた。また、今後「2013年に向けて電力自由化を進めている」のだという。
高木美保(タレント)「できない理由を探し出すセクションがある。こういう緊急時にはできる方向でいく方が将来につながる」
小倉「電話だって昔は電電公社しかなかったのが、いまは……」
デーブ・スペクター(プロデューサー)「副収入になるから進むんです。それが世界の流れ」
小倉「なんで規制するんだろう。電力会社のためだけみたいな」
おや、電力会社のためだけに全てが動いてきた結果がこれではありませんか。菅への風当たりが強いのも、首相が「発送電分離」に言及したからという見方もある。電力は一大マフィアなのですよ。