横浜市「学校給食に牛肉控えろ」―広がり始めたセシウム牛風評

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   福島・南相馬市の畜産農家が出荷した放射能汚染牛が、9都道府県で消費されていた。知らなかったとはいえ、売ってしまったスー パー、飲食店のショックは深刻だ。「提供した責任はありますから…」

   北海道の飲食店経営者は「知らなかったとはいえ、申しわけありませんでした」と頭を下げたが、飲食店だって被害者だ。愛知県の焼肉店では5・9キロを仕入れ、うち3キロを販売した。徳島のスーパーは103パックを完売。高知のスーパーで売れ残っていたパックを測ったところ1キロあたり2710ベクレル。藤沢では3240ベクレル。静岡のスーパーは5キロを販売したが、「東京で衛生検査受けてるものですからね。夢にも思わなかった」

福島のセリでは半値以下

   細川厚労相は「過大な反応というか、心配はされない方がいいと思う」、細野消費者担当相も「わずかに口にしても健康に影響はしない」というが、汚染が暫定基準値(500ベクレル)を超えているのだから、物言いもすっきりしない。

   横浜市はさっそく公立小学校344校に給食で牛肉を控えるようにという通知を出した。254校で今週の献立を変更することになったが、教育委員会は「情報の整理ができるまでの間ということで」と説明している。「南相馬の牛」のはずが「福島の牛」に、さらに「牛肉」全体になってしまった。まさに風評が形になるというやつ。案の定、きのう行われた福島のセリで、通常の半値以下という牛も出た。「もう1度汚染が出たら福島は終わりだな」と畜産業者。隣の茨城でも安くなっているそうだ。

   司会の小倉智昭「BSEでも鶏インフルエンザでもそうだが、ちょっとことが起こるとバーッと広がる」

   笠井信輔アナが汚染の度合いを説明したが、今回流通した牛肉の汚染の最高値は1キロあたり3400ベクレルで、これを被曝量に換算すると0.044ミリシーベルト。年間の上限が5ミリだから、専門家も「少量なら心配ない」といっているというが、「ただ、基準値の6倍ですから、消費者としては心配になりますよね」

   こういう伝え方がいけない。専門家も「少量なら」なんていういい加減ないい方は困ったもの。また「基準の6倍」といえば、「食うな」といってるようなものだ。

   小倉が「今回は原因が分かっているんだから、生産農家がちゃんと申告すれば処理の仕方も変わるのではないか」といったが、いいポイントだ。汚染は原発事故のあと、ある1軒の農家が屋外に置いてあったワラをエサとして与えたためだとわかっている。県は消費サイドの圧力から全頭検査を行う方針のようだが、これは農家すべてを信用しないということだし、数からいって実施できるかどうかもわからない。

   小倉「市場に出ているものは安全なんだと思っている方が健全なんじゃないか」

   その通り。騒ぎ過ぎではないのか。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
姉妹サイト