21日(2011年7月)は土用の丑の日。ところが、今年は鰻丼が値上がりし高値が予想されている。しかし、ウナギは謎が多く、卵からの養殖も行われていない。そもそも、ウナギがどこの海域で産卵しているかもよくわかっていなかったのだ。ところが、天然のニホンウナギが海で産んだ卵が、世界で初めて日本の研究チームによって発見されたのだ。
孵化までわずか1日半
天然のウナギの卵を発見したのは東京大学大気海洋研究所の塚本勝巳教授や水産総合研究センターなどのチーム。1昨年5月、調査船で大型のプランクトンネットを引いたところ、ウナギとみられる複数の卵を採取。DNA鑑定をしたところ、31個がニホンウナギのものと確認された。採取現場は天然のウナギの幼生が採集されたことがあるマリアナ諸島沖。いずれも受精卵で直径は平均1・6ミリ。森圭介アナウンサーが解説した。
「これまでに、ウナギの卵は孵化までわずか1日半とわかっていました。そのため、天然の卵を手に入れることは困難とされていました。しかし、今回の発見でウナギを卵から育てる完全養殖の実用化に近づけるのではないかと期待されています」
司会の加藤浩次も顔をほころばせながら、「これは凄い発見ですよね。ウナギがいつどこで産卵するかは長年、謎に包まれていたわけで、水深も深海とされていたのが200メートル付近だという。この卵で天然ウナギの養殖に成功すれば、ウナギはもっと身近な食材になる」と話す。
コメンテーターの勝谷誠彦(コラムニスト)も「昨日はアメリカのスペースシャトル打ち切りが話題になったが、日本では世界初の発見。不思議な関係ですね」
ウナギは高級食材という前提で番組は進んでいたが、いまやウナギは中国などからの輸入が急増していて、安いウナギはかなり安いはず。ただ、養殖ウナギはまず稚魚を確保しなければならず、それが激減したりヨーロッパでは輸出規制になっているため、国内養殖が難しくなっていることが問題になっている。たしかに、卵採取で完全養殖が実現すれば、国内産ウナギが安くなるが、番組ではずいぶんと先の話のような印象だった。土用の丑の日に引っかけた話題として取り上げるのはいいが、無理づくりの感が否めない。