辞意の海江田経産相 菅首相を「あの人」呼ばわり

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   原発の再稼働の見通しがさらに不透明になった。菅首相が突然いい出したストレステストと九州電力のやらせメールが巻き起こした混乱だ。

   海江田経産相はきのう(2011年7月7日) の衆院予算委で、「いずれ責任をとらせてもらう」と辞意を口にした。経産相の要請を受けて、いったんは再稼働に同意していた玄海町の岸本英雄町長も、これを撤回。メールの責任をとって九電の真部社長も辞意。全国の原発が止まる事態にもなりかねない。

ストレステストでメンツ丸つぶれ

   ストレステストは予期しない事態が起ったときに原発が持つ余力の評価。EUなどでは行われているが、日本では行われていなかった。菅が言い出したのは政権延命策の臭いがする。これで再稼働に向けて地元説得に当たっていた海江田の立場がなくなった。地元がカンカンになったところへ、降って湧いたやらせメールの話は九電への信頼をほごにした。町長は直接九電に再開容認撤回を伝えた。

   しかし、菅は全く動ぜず。海江田が言葉を詰まらせながら辞意を述べたときも無表情だった。「辞めなさい」と言っていた自民党議員から、海江田をいたわるような言葉まで出た。記者団に「首相の意か」と問われて、海江田氏「あの人のことについては申し上げない」と、「総理」と呼ばなかった。

   司会の小倉智昭「説明会だって、もともと再稼働へ向かうものだったんでしょう。やらせなんかしたら、かえってクビを締めることになる」

   現地リポートの田中良幸アナは「やらせなんかしなくても、その方向へいっていた」という。町長はストレスで体調がおかしくなるほどだったという。ショーン・マクアードル川上(経営コンサルタント)は「長期的には再生エネルギーへの流れだろうが、過渡期の10年をどうするのか。政府は基本方針を出さないといけない」と話す。

九電の2原発全面ストップへ

   10年どころか、いま話は2か月単位だ。ストレステストはEUの例では半年かかる。それを待っていると、九電の原発「玄海」と「川内」は全部の炉が止まってしまう。玄海の再稼働を皮切りに全国での再開をと期待していた電力業界への打撃は大きい。

   小倉「海江田さんも政府の意向で動いていたんだから、ホントにつらかったでしょうね」

   深澤真紀(コラムニスト)「原発問題が政局で語られてしまっている」

   小倉「脱原発解散の話が出たり、政府全体でなく、菅さんが決めたことばかり。こんなことやてていいのか。もう1回不信任案という話もありますね」

   ルール破りにはルール破りで立ち向かうしかないか。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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