九電「原発再開やらせメール」名前わかると困る幹部指示?

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「普通にやればよかったのに。策に溺れた。阿呆だよね」

   キャスターのテリー伊藤もあきれる。九州電力の玄海原発2、3号機の運転再開について、県民に説明するために経済産業省が制作したテレビ番組で、再開賛成の意見をメールで送るよう九電の課長級社員が子会社の社員らに働きかけていた問題だ。原発再開に国民の目がこれほど厳しく注がれている中、なぜこんな小細工をしたのか。裏工作で自社に有利にことを運ぼうとする何とも古い、いやな体質を浮き彫りにした。

課長級と発表されているが…

   番組は6月26日(2011年)、国の担当者が県民代表として選ばれた7人の質問に答える形で行われ、佐賀県内のケーブルテレビとインターネットで中継された。この番組に、一般市民を装って運転再開に賛成の意見を送るよう九電名で指示していた。いわゆる「やらせメール」を要請したわけだ。

   九電は昨夜(7月6日)会見を開き、眞部利応社長が事実を認めたうえで謝罪した。眞部社長は自らの責任は認めたものの、関与は否定した。

   司会の加藤浩次「メールを出したのは課長級の人といわれていますが、それは誰なのか、社内で特定できないのでしょうか」

   コメンテーターのおおたわ史絵(内科医)「簡単にできるでしょうね」

   加藤「できるなら、誰の指示を受け、誰が出したのか、すぐわかると思いますが」

   おおたわ「わかると困る人がいるということでしょう」

   テリー伊藤が続けて「本当に課長クラスなのか。もっと上から指示があったのか」

どこまで誰が関与しているのか

   加藤が力を込める。

   「こんどのこと、電力会社が原発再開容認のために工作したと見られてもしかたない。どこまで誰が関与していたのか、はっきりさせなければいけない」

   玄海原発の運転再開については6月29日、海江田万里経産相が玄海町の岸本英雄町長に要請、岸本町長も了解の意向を伝えていた。しかし、このメール問題の発覚で再開が大幅に遅れるのは必至だ。海江田は7月6日、国会で「けしからん話です。本当にけしからん話です」と怒りをあらわにした。

   九電の問題だけでない。東京電力もメルトダウンなど情報の隠蔽体質が問題とされている。原発がかつてない危機にある時、電力会社がこんなていたらくでは、国民の不信が募る一方。運転再開はますます困難になるばかりだ。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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