放言・暴言で復興相辞任に追い込まれた松本龍氏は、会見で「辞任の理由」については「話せません」。知事の前で見せた偉そうな態度もすっかりなくなっていた。「とくダネ!」の取材によると、松本は普段から横柄というわけではなかった。もともと政治家一家の3代目。国会議員のなかでも有数の資産家で、7億円超は閣僚中のトップ。収入でも全議員中5位だ。
大学同級生「あんなしゃべり方初めて聞いた」
福岡の実家は豪邸だが、近所の人たちも「おとなしい、いい人です」という。福岡事務所には「何様のつもりだ」「辞めろ」という電話が殺到していたが、スタッフすらテレビを見て「ん?と思った」という。大学の同級生も「信じられない」と首を傾げたそうだ。
「ああいうしゃべり方、聞いたことがない」
司会の小倉智昭「話している内容は理解できるが、言い方が悪かった」
デーブ・スペクター(プロデューサー)はビデオをよく見たらしい。
「放送されてない部分では、5分くらい普通に建設的に敬語を使ったりしてしゃべっている。それが突然豹変した」
豹変は復興相就任からだった。サングラスで会見に出て「民主も自民も公明も嫌いだ」と言ったり、復興担当を「チームドラゴン」と呼んだり、音楽の話で記者にナゾをかけたりと、どうも舞い上がっていた風がある。岩手県知事に向かってサッカーボールを蹴ってみたり、「どこの県だかわからない」というのもウソのようで、実際は防災大臣として現地を踏んでいたからよく知っていた。しかし後の祭り。
辞任を決断したのは、赤坂の1970年代の音楽を流すレストランで、会見でも英語のフレーズをあげるというちぐはぐさ。力が入り過ぎて、パフォーマンスでとちったということなのかもしれない。
菅首相の足引っ張る深慮遠謀?
復興相の後任は内閣府副大臣の平野達男氏に落ち着いたが、野党はもちろん、与党内部からも菅首相の任命責任を問う声があがる。松本も首相退陣を求めていたことから、永田町では「首相を追い込む戦略か」という見方まで出ている。いちばん激しかったのは安住国対委員長で、「こんなだらしのない内閣で大丈夫なのかと被災地が怒っている。私も恥ずかしくて石巻へ帰れない」「(意見を)申し上げるだけの価値のある人達かどうかも疑問に思っている」 とまでいった。
小倉「菅さんは針のむしろどころではないでしょう」
高木美保(タレント)「痛みを感じないんでしょう」