菅首相の遠心力加速を物語るような迷走人事が5日夜(2011年7月)に起きていた。体調不良が囁かれていた池田元久経産省副大臣にかわって中山義活経産政務官を昇格させる人事が内定し、事務方がモーニングの準備をと連絡した直後に、菅から「今回の人事はなかったことにして欲しい」と再び電話があったという。内示を受けてわずか30分後だった。菅は党執行部から了承を得られなかったことを理由に挙げたという。
村井宮城県知事「大きな決断するタイミング」
時の総理の大久保彦左衛門役を気取る渡部恒三民主党最高顧問は「1分でも1秒でも早く辞めていただきたい。国民のために被災地のためにも、民主党のためにも」と例の調子。松本前復興相の辞任火付け役のなってしまった村井嘉浩宮城県知事は、「民主党内から不満が吹き出ています。ここで国民のために大きな決断をするのはいいタイミングではないかと思う」という。
加速する遠心力にもかかわらず、菅は6日(2011年7月)の衆院予算委員会で、この期に及んでまだ続投の意欲を見せた。
スタジオにゲスト出演した時事通信社の田崎史郎解説委員が次のように言う。
「人事を打診しても受けてくれない、やっと選んだ人事も失敗する。政権としての機能がマヒしている。菅さんがいないと成立しない法案などない。むしろ菅さんが辞めることで次へのステップに繋がる。今日にでも辞めれば来週後半には新政権が誕生しますよ」
菅自身にとってもこれ以上は恥の上塗りになる。
文
モンブラン