「『辞任せざるを得ない』とは言っておりません。『辞任する』と言いました。個人的都合です」
松本龍議員が復興担当相は5日(2011年7月)に首相に辞表を提出した後、辞任会見で記者に「辞任せざるを得ないと決断した理由は」と聞かれてこう答えた。
相変わらず自分勝手な言い回しで、「朝ズバッ!」は「命令口調の電撃辞任」と取り上げた。
「祖にして野だが卑ではない」
記者から「個人的都合とは」と突っ込まれると、松本は「言えません」となぜか頑な。ただ、辞任についての心境をこう述べた。
「ことばが足りなかったり、荒かったりしたのは不適切だったなと思う。いろいろ言いたいことはあります。ナゾ掛けをしようと思いましたけども、これから(大臣では)なくなりますから。粗にして野だが卑ではない松本龍。一兵卒として復興に努力していきたい」
国民、とくに被災地の人々にしてみれば、粗野過ぎて復興大臣として『非』なのに、石田礼助・国鉄総裁の生涯を描いた城山三郎の著作を持ち出すあたりはまだ未練たっぷりということか。
後任は引き受け手なく「副大臣昇格」
司会のみのもんたが吠えた。
「公僕だということが分かっていないのでは。オレは客だとか、オレは先生だとかいう気持ちが強くなっちゃっているのですかね」
これをきっかけにコメンテーターからも批判が相次いだ。
若狭勝(弁護士)「20年、30年前ならこういう大臣はいっぱいいたのだと思う。その後、皆が公僕だと思い、変わったのに、彼は認識していなかった。時代錯誤というか見る目がなかった」
城戸真亜子(洋画家)「自分が特別な人間だとすごく思っていきたんですかね」
内野雅一(週刊エコノミスト編集長)「自爆したのではとの見方があるが、それなら大臣になるべきでない。やる気満々でこういう口調になったのなら人間性を疑う」
菅首相は後任人事で意中の人にみな断られた末、岩手県出身の平野達男副大臣を昇格させた。平野は「1日も早く復興の実感を得られるような状況を皆さんと力を合わせて作っていきたい」と抱負を述べたが、死に体の菅政権にあっては空しく響く。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト