適度の汗かきと牛乳・ヨーグルト・チーズ
埼玉・上尾市の尾山台団地(1800世帯)は団地全体で「15%節電」に取り組んでいる。伊香賀俊治・慶大教授は 団地最上階の5階の室温を測定した。屋上と接する天井の温度は32度。ひとつ下の4階は30度だった。そこで、「傾斜節電」を勧めた。最上階とビルの端の部屋のエアコンの設定温度を2度低くする。これで全室の温度が同じなった。窓にすだれをかける家も多い。ピーク時に集 会所で映画を上映したりもする。15世帯が集会所に集まると、使用電力を抑えられる。
松本・信州大の能勢博教授は体温調節機能から熱中症に挑む。適度の運動の あとに、牛乳などのタンパク質を摂ると血液の量が増えて、汗をかきやすくなる。熱中症になりにくい身体を作ろうというのだ。65歳の男性の10日間のテストでは、血液量が5%増え、汗をかき始める時間が短かくなった。能勢教授は高齢者を中心に、早歩きとゆっくり歩行を3分ごとに繰り返す運動と、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの摂取を勧めている。「無理なく汗ばむ程度で十分」という。
節電、節電でビルも地下鉄も蒸し暑くなった。国谷裕子キャスターは「弱者だけではなく、 暑さの中を働いている人たちが身体を冷やすところがなくなった」という。そうかもしれない。若い人には我慢してもらって、弱者は窓を開け放って扇風機で風を通すか。夜はみな遠慮せずにクールダウン。これでいこう。そういえば、夜の公園で涼んでいる人が増えた。
*NHKクローズアップ現代(2011年7月4日放送「どう防ぐ『節電熱中症』」)
ヤンヤン
文
ヤンヤン