市橋達也の法廷土下座―裁判有利に運ぶパフォーマンス

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   「殺意」があったのか、なかったのか。これが最大の焦点だ。英会話講師の英国人女性リンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22歳)を自宅マンションに連れ込み殺害したとして、殺人や強姦致死罪などに問われた市橋達也被告(32)の裁判員裁判の初公判が昨日(2011年7月4日)、千葉地裁で開かれた。

   検察側は、市橋は殺害の際にリンゼイさんの首を3分程度相当の力で圧迫している、強姦の発覚を防ごうという動機があり、殺意はあったと主張。これに対し、弁護側はリンゼイさんが声を出すのを止めようして首に手を回し死なせてしまった、その後、人工呼吸や心臓マッサージをしており、殺意はなかったと主張した。

争点は「殺意」あったかなかったか

   弁護士の若狭勝は判断が難しい裁判とみる。

「被害者のリンゼイさんはいない。市橋被告の言い分をどう見るかで決まる。検察、弁護側のどちらのストーリーが自然に見えるか。裁判員にすれば、一般市民の素朴な感覚で判断することが可能な事例だ」

   コメンテーターのロバート・キャンベル(東大教授)は「自分に不利な状況を防ごうとして首を絞め、息の根を止めた。それって殺意とどう違うのか。市橋被告の手記を読んだが、自分が逃げることのみに執着し、事件への反省は感じられなかった」と話す。

   市橋は事件後、2年7か月にわたり、整形手術を繰り返しながら日本各地を逃亡、その生活を手記にまとめ出版した。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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