英語教師の英国女性を2007年に殺害し、2年7カ月にわたって逃亡していた市橋達也被告(32)が、初公判でまたもしぶとく殺意を否認した。
4日(2011年7月)、千葉地裁で行われた裁判員裁判の初公判。検事側の後ろには、被害者参加制度でイギリスからやってきた被害者の両親らも出廷していた。
「死なせてしまったが、殺意ありませんでした」
市橋は法廷に入るなり両親の前で土下座したが、罪状認否では「殺意はありませんでした。しかし、怖い思いをさせて死なせてしまったのは私です」と、肝心の殺意について否認した。裁判の最大の焦点は殺意の有無。検察側は「3分程度にわたり相当程度の力で首を圧迫していた」と明確に殺意があったと主張。弁護側は「強姦した後、空の浴槽に押し込めたが、14、5時間経って大声を上げて浴槽からはい出ようとしたため、腕を顔に巻くように押えたところ死亡した」と傷害致死を主張した。傷害致死とするにはいかにも不自然で、しぶとい市橋の後からとってつけた主張にも取れる。
言いよどむことなく主張
裁判を取材した奥平邦彦(取材キャスター)によると、市橋は「最初は弱々しい印象を受けたが、その後よどむことなく言いたいことをしっかり話している印象だった」という。
河合薫(東大大学院非常勤講師)「殺意の有無によって、量刑が全く違ってくるんですよね。ご家族からすると、亡くなった事実しかないわけで、その部分(殺意はなかったという主張)は釈然としない気持ちになりますよね」
司会のみのもんた「番組に生出演してくれた両親は、『日本という国は美しくて、治安もいい国だと信じて娘を送り出した』と話していました。そう言われるとよけい辛いね」