富山市内で6月30日夜(2011年)に車にはねられた73歳の女性が、市内の3病院から受け入れを拒否され、約3時間後に搬送先の高岡市の病院で出血性ショックで死亡した。
森圭介アナウンサー「県道で女性が自転車に乗って横断中、軽自動車にはねられました。救急車の現場到着は事故から約10分後で、この段階では女性の意識はあり、足を骨折していたため、痛い痛いと話していたそうです」
ここからが酷いことになった。
救急車10分で現場到着「意識はっきりしてた」
救急隊はこの日の担当病院だった富山市民病院に受け入れを要請したが、「外科医が救急患者の手当ての最中で対応できない」と断られ、2分後に県立中央病院、その数分後に富山大付属病院にも断られた。
森「救急隊は再度、富山市民病院や県立中央病院に要請したが、回答は同じでした」
ようやく隣町の高岡市内の病院が受け入れたが、病院に到着したのは事故発生から1時間半たった午後9時頃。この間に、女性の容態は急変し、10時半に出血性ショックで死亡した。森は「富山県では、受け入れ要請が4回以上となった場合は、県立中央病院が調整することになっていた」ことも伝えた。
「専門外の患者診られない」
司会の加藤浩次「どの病院も大きな病院だったわけでしょう。それなのに、なぜ受け入れを断ったのか」
内科医の友利新「医者として、専門外の患者さんは診られないという現実があります。また、救急隊からの連絡に対応した人の判断もある。救急隊が現場でできる処置は制限されているので、もっと救急隊に権限を与えることが必要です」
勝谷誠彦(コラムニスト)「こういう事件が起きると、マスコミは病院バッシングをするが、問題は個々の病院の受け入れ態勢ではなく、今の医療全体のあり方だ。もっと医師を増やすとか、より高度な医療体制を作るとか、根本から考え直すべきだ」